NODA・MAP第24回公演 野田秀樹作・演出『フェイクスピア』東京芸術劇場プレイハウス
金曜日夜、立ち見の方も大勢いらっしゃいました。
NODA・MAP「フェイクスピア」野田作品を観にいくときは予習なしで
情報を極力避け、「キャスト」「どうやらイタコらしい」この二つだけで会場へ。
公演は約2時間。ラストの急展開に息をのむ。野田さんは天才だよ。
目に見える言葉と見えない言葉。真実と偽物。キャスト達のアップテンポなやり取りに引き込まれながらも
イヤイヤ野田作品、騙されないぞとあれやこれや想像する。野田作品の真意を見極めなければ。どこに向かっているのか。想像力をフル回転させるも、痛快劇からのリアルが突きつけられる。
劇中に散りばめられたヒント
フェイクスピア もとへシェイクスピア
4大悲劇・・シェイクスピア作品の中でも4大悲劇と言われる シェイクスピア作品を知る上で欠かせない作品なので、ぜひチェック!
- 『ハムレット』Hamlet
- 『オセロー』Othello
- 『リア王』King Lear
- 『マクベス』Macbeth
伝説のイタコ:恐山
- イタコといえば恐山 死者と生きている者の仲介者として、言葉を伝える。
刺さる言葉 ──「恐山あれこれ日記」抄【電子書籍】[ 南直哉 ] |
星の王子様 作:サン=テグジュペリ
- 飛空士でもあったサン=テグジュペリによって書かれた『星の王子さま』。
- 子どもから大人まで、惹きつけられる魅力満載です。生きるエッセンスたっぷりの世界中で愛されている作品です。
こうしたヒントからも“言葉についての劇”ということは疑いないのですが・・・野田作品はこれだけで終わりません。辿り着いた先に見えたものは?
観終わって・・個人的考察
メディア、いや人は あらゆる視点から情報を発信する。言論の自由を盾にして。
利害、忖度、優位性 あらゆるパンドラさえも携えて、目に見えない言葉も見える言葉も、空中を駆け巡る。真意を掴むなんて不可能なのに 言葉に傷つき、励まされたり、惑わされたり揺さぶられたりする。
大切なものは目に見えない・・どこかで聞いたセリフだが、これもフェイクか。日常は情報に溢れている。Twitter Instagram YouTube TV 本・・情報を取捨選択することに個人の力量が問われる。
情報を受け取る側には、見極める力が求められ、本質を見極めることは生かされている人の責任なのだろう・・昔も今も。
公演の始まりを思い出し、こどばの焦点が重なり、合点する。最後数分に息をのむ。会場を出た後、ふりかえりの復習タイム。まずは大きく深呼吸。自分の無知を恨みつつ、野田さんを改めて尊敬する。まさにフェイクに惑わされ、真意を突きつけられたのは観客なのだった。
あの世とこの世を行き交うことができたなら、死者の言葉を手に取ることができるのか。この世でも錯誤してしまう言葉。言葉にあの世もこの世もないのかもしれない。死者の言葉を代弁し、この世の言霊として祭り上げる。真実は分かり合える人達の間でだけ行き交えばいいのだ。
野田さんの作品、後方で立ち見の方々はリピーターのお客さんだろうなぁ、
だってもう一度みたいから。
楽しみ方が幾通りもできる野田地図。しばらく興奮さめません・・。
野田地図 https://www.nodamap.com/fakespeare/
高橋一生
ドラマ「天国と地獄」の時、女性演技がとても良かった。今回もそれをふと思い出させる場面も。大ファンになりました。カテコの笑顔にキュン!
白石加代子 橋爪功 そして野田秀樹
白石加代子さんは初参加なのだそう。年齢を知ってびっくり。憧れの女性です。橋爪功さん、貫禄ですね。観ていて安心感あります。野田秀樹さん、今回は「おのれナポレオン」彷彿たり⁉︎シェイクスピアいえフェイクスピア。ラップ調の息子。サイコーでした。
川平慈英 井原剛志 前田敦子 村岡希美
ベテラン揃いだ!素晴らしい。前田敦子さんに注目でしたね。3役お見事!きっと勉強家です。
NODA・MAP第24回公演『フェイクスピア』
作・演出 野田秀樹
東京公演 2021年5月24日(月)-7月11日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
大阪公演 2021年7月15日(木)-7月25日(日) 新歌舞伎座
<CAST>
高橋一生
川平慈英 伊原剛志 前田敦子 村岡希美
白石加代子 野田秀樹 橋爪功
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